逮捕には、「現行犯逮捕」と「令状による逮捕」があります。
現行犯逮捕は、交通事故を起こしてしまったり、痴漢と疑われたときに、その場で逮捕、という手続きです。
これに対して、「令状による逮捕」では、多くの場合、早朝、自宅に逮捕令状を持った警察官がやってきて署までの「同行」を求められることになります。
ご家族が逮捕された場合、その時点では、全く事情が分からない場合がほとんどでしょう。
そこで弁護士に依頼をし、
【1】逮捕された人が連れて行かれた先の警察署で面会(=接見)し、【事実関係の確認】をする必要があります。
その際には、逮捕された方に【逮捕後の手続き等の説明】をし、【今後の弁護の方針について話し合う】ことになります。
ほとんどの方は逮捕されること自体が初めてでしょうから、逮捕されると激しく動揺し、やってもいない犯罪を認めてしまう場合もあります。
そのため、逮捕直後に弁護士を依頼することが、冤罪事件を防ぐことにもなります。
万一、あなた自身が逮捕されてしまった場合は、直ちに警察官に、
「弁護士を呼んでください。弁護士と話をしない限り、何もしゃべりません。」
と伝えてください。
逮捕されると、1日、2日後に、検察官が裁判所に対し、さらなる身柄拘束の継続を求めてきます。これを「勾留請求」といいます。
勾留請求を受けた裁判官は、そのまま「勾留」を決め、さらに10日間、家に帰ることが出来なくなってしまいます。
そこで弁護士は、
【2】検察官に、勾留請求をしないよう説明する文書を提出したり、
【3】裁判官に、勾留しないよう文書を提出することで、
勾留されないよう、つまり、早く家に帰ることができるように活動します。
もちろんこれらの文書を作成する際に必要となる資料を集めたり、関係者から事情を聞いたり、犯行現場の確認に赴いたりすることもあります。
ただ、勾留請求が却下されることはまだまだ少なく、そのまま勾留されてしまう場合がほとんどです。
そのため、弁護士は、さらに
【4】被害者と示談交渉をしたり、
【5】裁判官に勾留決定を取り消すよう求める書面を提出したりすることで、
出来る限り早期の釈放を目指すことになります。
このように逮捕された人を出来るだけ早く家に帰れるよう活動することが、弁護士の大きな役割の一つです。