「真実性の抗弁」について、簡単に説明します。
まず、インターネット掲示板に、具体的な事実を挙げながら他人の悪口を書き込みますと、名誉毀損となってしまいます。
例えば、元従業員が「具体的な事実を挙げながら」社長の悪口を書き込んでしまった場合です。
「今の社長は2代目、まさにボンボンです。ボンボンの精神的弱さからか、宗教に近い所に自ら、研修にいき、どっぷり漬かって、それを自分なりに租借せずに、そのままを社員全員に押し付け、わたしのように、研修を先延ばしにしたものは、全員、首をきられたらしい。」
ですので、あるジャーナリストが、「政治家のA議員は、業者から賄賂をもらっている」とネットに掲載した場合にも、名誉毀損にあたってしまうのです。
ただ、無条件に名誉毀損だから損害賠償、となってしまいますと、全く報道ができなくなってしまいますし、以前ご紹介したようなマンション建築反対住民による意見表明もできなくなってしまいます。
そのため、問題となっている書込や発言内容が、
【1】一般多数人の事実に関するものであること
【2】共益を図る目的でなされたものであること
【3】真実であること
という3つの要件をすべて満たせば、名誉毀損による損害賠償請求はできない、とされています。
これを「真実性の抗弁」といいます。
ただ、書き込んだ側で、【1】から【3】を証明しなければなりませんので、これにはかなり骨が折れます。
裁判では、【3】真実であるかどうかが、良く問題となります。
根拠のない噂に基づく書込は、できる限りしない方が良いかと思います。