発信者に対する意見照会書とは何でしょうか?
こちらが、その見本です。
これまで繰り返し説明してきたとおり、インターネット掲示板などに書きこんだ人を特定するには、
まず【1】掲示板を管理者するプロバイダに対する仮処分で、書き込みのIPアドレスを明らかにし、
次に、【2】IPアドレスを元に割り出したプロバイダを相手取って裁判を起こす必要となります。
【2】の裁判で、プロバイダに対して「発信者情報(=どこの誰が、書き込みがあった当時、そのIPを使用していたか)を開示せよ」との判決が下りますと、問題とされている書き込みが、誰によって書き込まれたものかが判明するわけです。
この【2】の手続きの途中で、プロバイダは、その書き込みをした人に、「このような開示請求がされていますが、開示しても良いですか?」と問い合わせをしなければなりません。
そのためのお問い合わせが、「照会書」というわけです。
照会書には、次のような回答書が同封されていて、「開示しても良いかどうか」を2週間以内で回答するよう求められます。
つまり、「意見照会書」があなたのもとに届けられたということは、あなたがどこかの掲示板に書き込んだ内容を問題視している人がいて、その人が、「この書き込みをしたのは誰であるか?」と問い合わせているということになります。
参考までに、実際あった事件を元に、その後の手続きとその日程をご紹介します。
(参考例)
10月1日 プロバイダからの意見照会書が届く。
この照会書で、「2週間以内に回答すること」を求められます。
10月10日 回答書送付
12月10日 発止者情報の開示を認める判決の言渡し
12月25日 プロバイダから開示する旨の通知
このような手続きを経て、発信者(掲示板に書き込んだ人)の情報は開示されます。
多くの場合、照会書が届いてから、2か月から3か月後には、問題となった書き込みをしたのは誰かが判明することになるわけです。
ですので、意見照会書が届いてしまった方は、出来る限り、お早めに弁護士に相談した方が良いかと思います。