「弁護士にかかった費用を、相手に請求できますか?」
という質問をいただくことがあります。
説明すると長くなりますが、結論を言いますと、弁護士費用を相手に請求することは、「できない」か、「できたとしても、ごく少ない」場合がほとんどです。
「相手がちゃんと金を払わないから、仕方なく弁護士を雇って裁判するのに、なんでうちが弁護士費用を負担しないといけないのか?」
とお怒りになる方もいます。
全くもってごもっともです。
以下、説明していきます。
まず、他人に対してお金を請求する裁判は、大きく二つに分けられます。
1 契約に基づく請求 と
2 契約に基づかない請求 です。
「1 契約に基づく請求」の例として、「いついつまでに返す」という約束で金を貸したのに返してくれないという場合があります。
この「約束」のことを、「契約」といいます(お金を貸し借りする契約は、「(金銭)消費貸借契約」といいます)。
他にも、「アパートを借りて、毎月家賃を支払う」という約束(=賃貸借契約)をしたのに家賃を払ってくれない、という場合も「契約に基づく請求」です。
つまり、「1」の請求は、請求する人と、請求される人とが、元々契約を取り交わしているような場合のことです。
これに対して、交通事故の場合、被害者と加害者との間には、元々契約も何もありません。
「ぶつけよう!」、「よっしゃ来い!」という約束はないのが普通ですからね(笑)
2のように「契約に基づかない請求」のことを、「不法行為に基づく請求」といいます。
「不法行為」といっても悪者というわけではありませんので、「不法行為に基づいて損害賠償を請求する!」といわれても、どうか必要以上に怒らないでください。
少々長くなりましたので、今回は、このあたりで。