「弁護士費用を相手に請求したいのですが」その2

先日、裁判は大きく次の二つに分類できる、というお話をしました。

1 契約に基づく請求 と
2 契約に基づかない請求 です。

道路

まず、「1 契約に基づく請求」の場合に「弁護士費用も支払え」という判決が下されることは、ほぼありません。

裁判所が弁護士費用の支払を認めない大きな理由は、「今の日本では弁護士を絶対に付けねばならないわけではなく自分で裁判することが出来るから」だとされています(建前上、本人訴訟が原則なのです)。
つまり、弁護士を付けるか付けないかはその人の自由なので、弁護士費用までは請求できない、というわけです。

ですので、「契約に基づく請求」の場合に相手に弁護士費用を請求することはほぼ無理、ということになります。

 

これに対して、「2 契約に基づかない請求(=不法行為に基づく請求)」の場合には、請求額の10%程度の弁護士費用の支払を認めるのが判例です。
不法行為の場合に弁護士費用の支払が認められる理由は、「現代の訴訟は専門化された裁判を一般人が一人でやるのはほとんど不可能だから」だとされています。
※もっとも、「契約責任に基づく訴訟なら一般人でも起こせるのか」と言いますと、非常に疑問です。

不法行為の代表例は、交通事故です。
例えば追突事故で300万円の損害を受けた場合、判決では、300万円に加えて、その1割の30万円が、弁護士費用として認められています。

もっとも300万円を請求する訴訟を起こす場合、着手金として25万円、報酬として50万円、その他、収入印紙や切手代として5万円程度、計75万円の費用がかかってしまいます。
ですので、不法行為に基づく請求であっても、弁護士費用のすべてをまかなうことは出来ません。

このように裁判を起こしても、弁護士費用全額を相手に請求することはかなり難しい、というお考えいただけるとよろしいかと思います。

隼綜合法律事務所では、弁護士費用と裁判で認められる金額や回収の可能性等を考慮し、弁護士費用を支払ってでも弊事務所に依頼する意義があるかないかを依頼者と十分に協議した上で、どのような手続きをとるべきか、助言致しております。

次回に続きます。


カテゴリー: 弁護士費用 | 投稿日: | 投稿者:
加藤 幸英

 弁護士になる前、10年ほど不動産賃貸の会社を経営していました。  不動産・建築請負・相続問題については、法律的な視点だけでなく、経営的な視点にも配慮した実践的なアドバイスを心掛けています。  最近はインターネット問題にも力を入れております!

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